ブックメーカーのアービトラージとは?仕組みや実態について詳しく解説

  • 2020/09/14
  • 2020/09/14
ブックメーカー アービトラージ

「ブックメーカー 必勝法」「ブックメーカー 攻略法」といったキーワードで検索すると、アービトラージという単語をよく目にします。

アービトラージ法は、ネットが発達する以前には、有効な必勝法として一部のプロベッターに使用されていた時代がありました。

それでは、ブックメーカーにおけるアービトラージは今でも使えるのでしょうか?

この記事では、「アービトラージって何?」という人や「アービトラージの高額ツールが販売されているので、購入を考えている。」という人に、その仕組みや実態などをくわしく解説します。

アービトラージとは

アービトラージは元々、株式相場、FX、仮想通貨取引など投資の世界において使われる手法で「サヤ取り」、「裁定取引」ともいわれています。

たとえば、ある金融商品がAという場所では100円で売られており、Bという場所では150円で売られているとしましょう。

この場合、Aで買ってBで売れば150円-100円で50円の利益が出ます。

商品をブックメーカーのオッズに置き換えると、同じ理屈が成り立ちます。

このように、ブックメーカーにおけるアービトラージとは、「複数のブックメーカー間で、一時的に生じたオッズ差を利用し、どちらが勝っても利益を出すことができる、理論上は100%の必勝法」のことです。

アービトラージの仕組み(例)

ブックメーカーでアービトラージが成立する仕組みを、表を使って説明します。

まず、チーム①とチーム②の対戦において、2つのブックメーカーが下記のような異なるオッズを出しました。

 ブックメーカーAブックメーカーB
チーム①1.303.93
チーム②1.422.90

このときに、ブックメーカーBでチーム①のオッズ(3.93)とブックメーカーAでチーム②のオッズ(1.42)を組み合わせると、アービトラージが成功します。

賭け方の例

ブックメーカーBでチーム①に40ドルを賭けます。

勝利すると40 x 3.93 = 157.2ドルが戻ります。

ブックメーカーAでチーム②に100ドルを賭けます。

勝利すると100 x 1.420 = 142ドルが戻ります。

ベット額の合計は140ドルですから、
・チーム①が勝利:157.2-140=17.2ドルの利益
・チーム②が勝利:142-140=2ドルの利益
となります。

どちらが勝っても利益が出るのが分かりますよね。

これがアービトラージの仕組みです。

アービトラージを使って稼ぐ場合は、このような試合をひたすら見つけて両賭けするという作業を繰り返します。

なぜアービトラージが起こるのか?

アービトラージはなぜ起こるのか?

では、なぜアービトラージが発生するのでしょうか?

それは、ブックメーカーのオッズの付け方に理由があります。

日本の公営ギャンブル(競馬、競輪、競艇など)では、最初から胴元が一定の割合を差し引くパリミチュエル方式を採用しており、賭けた時点ではオッズは確定していません。

一方、ブックメーカー方式のオッズの付け方ではベットした時点でのオッズが適用されます。

したがって、1.5倍でベットしたチームのオッズが試合直前に1.2倍まで下がったとしても、予想が当たれば1.5倍の配当が払い戻されるのです。

ブックメーカーは、独自のデータ、AI、情報網などを使って初期オッズを算出しますが、当然各社間でのばらつきが生じます。

そして、世界中のベッター達の購入状況により、最初に提示されたオッズは常に変動していきます。

そのため、上の例で説明したようなアービトラージが発生することがあるのです。

次に、アービトラージのメリットとデメリットについて説明します。

アービトラージのメリット

アービトラージ最大のメリットは、成功すれば100%の利益が保証されるという点につきます。

人間同士が行うスポーツにおいては、過去の膨大なデータを分析し、優秀なAIを使ってどんなに予想の精度を上げても、100%の勝率を出すことは不可能です。

しかし、アービトラージならどちらが勝っても利益が出ますから、試合の結果を気にする必要がありません。

勝ったチームによって利益額は変わりますが、損失が出ないと分かっていれば安心して試合を見守ることができます。

ブックメーカーを投資として考えている人にとっては、このメリットは非常に魅力的に思えるのではないでしょうか。

アービトラージのデメリット

アービトラージのデメリット

ここまでで「絶対に勝てるのなら、アービトラージの手法をマスターしたい。」と思った人も多いでしょう。

しかし、誰でも簡単に稼げるならブックメーカーは潰れてしまいます。

アービトラージには、以下のようなデメリットがあるのです。

該当する試合を見つけにくい

アービトラージを成功させるためには、ブックメーカー間のオッズで還元率が100%を超える組み合わせを見つなければいけません。

大手ブックメーカーのピナクルでは、このようなアービトラージ計算表を提供しています。

ピナクル アービトラージ計算表

アービトラージを行う場合には、このようなシステムを利用して、複数のブックメーカーのオッズを片っ端から入力し、100%利益が出る組み合わせを見つけてベット額を算出することになります。

しかし、ブックメーカーの平均的な還元率は約95%前後で、オッズにばらつきがあるといっても、極端に違うことはほとんどありません。

したがって、手動でアービトラージの組み合わせを探すのは、大変な労力が必要です。

ベットできるタイミングが一瞬

運よくアービトラージの組み合わせが見つかったとしましょう。

しかし、同じことを考えているベッターは世界中にいますし、24時間各ブックメーカーのオッズを監視している自動売買ソフトも存在しています。

そのため、アービトラージが見つかっても、一瞬でベットが集中するためオッズが変動してしまうことが多いのです。

同じブックメーカーの中でアービトラージができることはほぼありませんから、2つ以上のブックメーカーを使うのですが、片方にベットできても、もう一方のオッズが変動すればその時点でアービトラージが成立しません。

再びオッズが都合のいいように動いてくれればベットできますが、逆に動くと片賭けのまま試合を迎えることになります。

高価なソフトが必要

「それなら、ソフトを使えばいいじゃないか。」とアービトラージの自動売買ソフトを購入しようと思った人は、ちょっと待ってください。

そのようなソフトは、最低でも数十万以上はしますし、ブックメーカーは基本的に自動売買ソフトの利用を禁止しているところがほとんどです。

バレると、ベットを取り消されるどころか、最悪アカウント凍結・出金拒否などの対応を取られるリスクがあります。

利益が非常に小さい

同じ試合を取り扱っていても、ブックメーカーによってオッズは微妙に異なりますが、極端に大きく変わることはありません。

したがって、アービトラージが成功しても1試合で大きな利益を出すことは難しく、小さな利益をコツコツを積み重ねていくことになります。

ある程度の利益を取るためには、まとまった資金と時間が必要であるにも関わらず、1度でもアービトラージに失敗してしまうと、それまで苦労は水の泡と消えてしまうでしょう。

利益が小さいにも関わらず、様々なリスクを抱えているため、リスクリワードの観点からは割に合わない手法といえます。

基本的に禁止されている

ほとんどのブックメーカーは、アービトラージを表立って禁止はしていないものの、好意的なユーザーとは見なしていません

また、大手ブックメーカーは、上で触れたアービトラージの自動売買ソフトよりも、さらに高性能なソフトを使い常に他社のオッズの動きを監視しています。

もちろん、アービトラージの発生も分かっていますし、それを狙って自サイトを利用しているユーザーも把握していると考えていいでしょう。

ちなみに、大手ブックメーカーの中でアービトラージを公認しているのは、ピナクルだけです。

ピナクルを選ぶべき理由

ピナクルの詳細へ

MAXベット規制とベットキャンセル

ブックメーカー方式のオッズシステムでは、ベットした時点でのオッズが適用されますが、ブックメーカー側のミスなどによって生じたベットについてはキャンセルできる権利を持っています。

こちらは、業界最大級のブックメーカー「ウィリアムヒル」の利用規約から引用したものです。

ウィリアムヒル 利用規約

「アービトラージを禁止する。」と表だって公言はしていないものの、自社に都合の悪いベットに関しては、ブックメーカー側が有利な規約を作っています。

したがって、アービトラージが成立してもブックメーカー側に多大な損失が出た(出ると予想される)場合は、ベットがキャンセル扱いになってしまう可能性があるのです。

片方のベットがキャンセルされると、普通に片賭けしているのと同じことになりますから、負けると今まで少しずつ増やしてきた利益が吹き飛んでしまいます。

また、ブックメーカー側でアービトラージの発生を感知しているということは、それを利用しているユーザーもおおよそ把握しているということになります。

つねにアービトラージで利益を出していることが分かれば、マックスベット規制(賭け金の上限を下げられること)をかけられたり、最悪アカウント凍結や出金拒否などの対応を受ける場合もあります。

アービトラージは実践可能か?

ここまでの説明で、アービトラージの仕組みやメリット、デメリットについては、お分かりいただけたかと思います。

最後に、「ブックメーカーでのアービトラージは実践可能か?」についての結論は以下になります。

ブックメーカーでのアービトラージは完全に不可能とはいえないが、現在はおすすめできない。

ベッターたちが、店頭でスポーツブックに投票していた時代は有効だったかもしれませんが、ネットであらゆる情報をいち早く仕入れることができる現在では、アービトラージを使って稼ぐのは現実的ではありません。

デメリットで触れたように、期待できる利益が少ないわりには、抱えるリスクが大きすぎるからです。

手動でアービトラージを見つけるのは大変ですし、高額なソフトを使ってもわずかな利益しか得られず、しかもベット取り消し、マックスベット規制、アカウント凍結などを警戒しながら安定して稼ぐことは、実質的に不可能といっていいでしょう。

まとめ

今回は、ブックメーカー初心者が騙されやすいアービトラージの実態についてお伝えしてきました。

ブログやTwitterなどのSNSで「ブックメーカーで確実に稼ぐ方法」などとして、セミナーや情報商材などを販売している業者を見かけることがありますが、その多くがアービトラージを使った詐欺案件です。

見かけても、決して信じたり購入したりしないようにしてください。

カテゴリ:ブックメーカー入門

この記事を書いた人 マイブックメーカー 管理人

マイブックメーカー 管理人

こんにちは!マイブックメーカー管理人です。 ブックメーカーをこれから始めたい人や、もっとブックメーカーを楽しみたい人におすすめ情報を発信しています。

ブックメーカー入門の記事一覧