NBAベット時にチェックするスタッツ(統計)やデータの読み方
- 2021/03/01
- 2021/03/01
人気の高いバスケットボールリーグであるNBAでベットする際、公式情報やブックメーカー内のデータ、スポーツブック用のデータ比較サイトなど、様々な経路で情報を集めていくと思います。
この記事ではチェックしたチームやプレイヤーなどのスタッツ(統計)が、どのようなベットにどのような形で関連するか説明していきます。
目次
柱となる基本情報はチーム「平均得点」と「平均失点」
まずはバスケットボールでのベットする際、一番お世話になるだろう賭け方を紹介します。
画像はウィリアムヒルのものです。
どちらのチームが勝つか純粋な勝敗に賭けるマネーライン、点差を設定して賭けるハンディキャップベット(ポイントスプレッドとも)、両チームの総得点が定められた得点を上回るか下回るかに賭けるオーバー/アンダーベット(トータルとも)が見てとれます。
この3つがバスケットボールの主要な賭け方となっており、NBAもその例外ではありません。
これ以降、スタッツがどの賭け方と関連するか説明する際、
・マネーライン=「ML」
・ハンディキャップ=「AH」
・オーバー/アンダー=「OU」
と略しますのでご了承ください。
一番の基本となるのはチームの平均得点
※出典:NBA Rakuten
ML、AH、OU全ての基礎となるのが平均得点です。バスケットボールは得点を頻繁に取り合うスポーツです。いくらディフェンスが強固なチームでも、オフェンス力皆無では勝つことができません。
「PTS」と書かれてあるのが現在の平均得点です。これをベースとして、他の要素を加味しながらブックメーカーはMLのオッズやAHの点差、OUの総得点を設定します。
ちなみに
AST=アシスト数
REB=リバウンド数
を指します。
延長戦の有無や対戦相手によって上下するものの、予想を立てる上で欠かせないスタッツです。
得点と失点の両方をチェック
「OU」であれば両チームの平均得点を足せばなんとなくの予想はできますが、「ML」や「AH」でベットする場合は、平均失点のデータも必要です。
画像はスポーツベット向けのデータサイト、「チームランキングス」のものです。英語のサイトですが、参考になるデータが多くためになります。
表示されているデータは、NBAの全チームを平均失点が少ない順にランクづけして並べたものです。「NBA Team Opponent Points per Game」はNBAチームの平均失点といったところです。
「Opponent」はバスケットボール以外のスタッツにも使われ、対戦相手のことを指します。ここでは「一試合当たりの対戦相手の平均得点=チームの平均失点」という形で使われています。OpponentはOppと略されることも多いです。
平均得点から平均失点を引いたものはマージンと呼ばれ、チームの強さを端的に表します。ただ「勝つ時は接戦、負ける時はボロ負け」みたいなチームはマージンが生まれにくいので注意です。
直接対決も参考に
チーム同士の相性というものも存在しますので、直接対決の結果も欠かせません。画像は予想投稿サイトである「ベッティングエキスパート」でのデータです。
「H2H」はhead to headの略称で、直接対決を指します。
大幅に選手を入れ替えるなど、チームカラーが激変した場合など、あまり参考にならない時もあります。同じ地区に所属していて対戦回数が多い場合は、ホームコートアドバンテージ(ホームチームが有利になること)を考えながら分析します。
同じ地区内にいるとライバル関係ができやすいので「いつもよりディフェンスが激しくなるだろう。退場者が出るかも」なんて予想も生まれるわけです。
安定した強さにも関係するリバウンドとフリースロー
リバウンドとフリースローのスタッツが良いとチームに安定感が生まれます。
以前よりは重要度が下がったとはいえ、リバウンドが弱いと相手にセカンドチャンスを許してしまいますし、速攻も出しづらくなります。
リバウンドやフリースローの安定度は接戦時に影響しますので、MLと関係が深いです。
※出典:スポーティングニュース
また、フリースローは高確率で決められるシュートですので(NBAの平均成功率は70%以上)ファウルをもらってフリースローを確実に決められるチームは得点が安定しやすいです。
リバウンド数に関するマーケットも
チームの強さにつながるリバウンドですが、そのままマーケットとしても扱われています。ウィリアムヒルでは、個人のリバウンド数が定めた数値から上回るか下回るかのマーケットがあります。
プレイヤーの平均リバウンド数を参考にしながら賭けるわけですが、賭けたいプレイヤーの平均ファウル数、相手チームのリバウンドの強さ、シュート成功率もからんでくるので、予想はやや複雑になります。
フリースロー成功率が低いチームは接戦で苦労
※出典:NBA Rakuten
実際にチームのフリースロー成功率を見てみましょう。
上の画像のデータはNBA Rakutenに記載されているフィラデルフィア・セブンティシクサーズのものです。「FT%」の項目にある数値がフリースロー成功率です。
77.4%はNBAの平均値に比べてかなり高く、戦績が安定するのに一役かっています。バスケットボールは最終盤にフリースローをもらう確率が高く、そこでポロポロ落としているようだと、勝てる試合も落としてしまいます。
2019-20シーズンにレイカーズで優勝を成し遂げたレブロン・ジェームズのように「フリースロー成功率は低いが、ここぞという時には決める」ケースもあります。かなりメンタルに左右されるシュートなのです。
爆発力と直結するスリーポイント試投数と成功率
現代NBAではスリーポイントが重視され、ミドルレンジのシュートは効率が悪いとされています。チームカラーやヘッドコーチ、編成によってどれくらいスリーポイントを重視するかは変わってきます。
逆転劇を得意とするチームはスリーポイントを活用するのがうまく、短時間で得点を量産します。得点の爆発力に影響するので、AHやOUと密接に関わります。
スリーポイントありきの戦い方
※出典:スポーティングニュース
スリーポイント成功率に関するスタッツです。得点力の高いチームや、効果的にスリーポイントを使っているチームが上位に並んでいます。
スリーポイントシューター用にオフェンスをセットする、複数のシューターを配置する、ブロックされにくいビッグマンにスリーポイントを打たせるなど、各チームが工夫をこらしています。
いまやスリーポイントは体の小さな選手の必殺技ではなく、得点を伸ばすために必須のスキルとなっているのです。
とはいえ、スリーポイントを含めたアウトサイドシュートは水物ですので、浮き沈みが激しいです。ディフェンス力がない上スリーポイントに頼るチームは成績が安定しないため注意が必要です。
「スリーポイント成功数」に関するマーケットも
ブックメーカーの中には、スリーポイントの成功数に関するマーケットを用意しているところもあります。画像はウィリアムヒルのものです。ポジションや役割によって、ブックメーカーが設定する成功数が異なります。
プレイヤーの調子以外にも、どのような試合展開になるかを読む必要があります。画像の例ですと、「ドマンタス・サボニス」はビッグマンであり、本来はインサイドで点を取る選手です。
しかし、ディフェンスの相手によっては、インサイドで勝負するよりアウトサイドに引き出して勝負した方が効果的になるケースもあるので、そのあたりを読む必要が出てくるわけです。
さらなる読みが必要とされる「プレイヤー平均得点」
プレイヤーの得点に関するマーケットは多くのブックメーカーで見られます。特にNBAは有名な選手が多く、他のリーグに比べてプレイヤーの個人成績に関するマーケットが充実しています。
もちろん、プレイヤーの得点に関するマーケットは平均得点に基づき、ブックメーカーがオーバー/アンダーの基準となる点数を決定します。画像はウィリアムヒルのものです。
チームが対象プレイヤーの得点能力に依存している場合、その平均得点や安定度はML、AH、OU全てに影響します。
フリースローをもらえると得点が安定
※出典:NBA Rakuten
これはNBA Rakutenで見られる個人成績です。直近5戦の得点に関するシュートのデータが載っています。
「FT」と表記されるフリースローをもらう数が多く、フリースロー成功率も高ければ得点は安定しやすいです。
フリースローをもらうのも技術の一つなので、NBAで得点王を取るようなプレイヤーはファウルをもらいフリースローを数多く放っています。
プレイヤーの得点にベットするなら、フリースローに関するスタッツもチェックしたいところです。
データに反映されないディフェンス巧者という存在
データとしてスタッツを解説しているこの記事ですが、データに反映されない要素も試合結果やプレイヤー成績に関わってきます。
特に、スティールやブロックなどのスタッツに現れないディフェンス巧者の存在は、データを見るだけでは確認できません。
過去の対戦からある程度は推測できるものの、かなり念入りにデータを読み解く必要があります。
ディフェンスのうまいプレイヤーは、スティールやブロックなど記録に残る働きもしますが、その出場時間の大半は「ファウルを取られないギリギリの範囲でいかに激しく守るか」に注力されています。
なるべく接触して体力を奪う、得意なポジションでボールをもたせない、事あるごとにちょっかいを出しフラストレーションを相手にためさせるなど、ディフェンス巧者はあの手この手を使ってきます。
また、チームディフェンスの意識が高く相手のチャンスを早い段階でつぶしていくプレイヤーも数字に残らない働きをします。
プレイヤーの得点にベットする場合は「相手チームにすぐれたディフェンダーがいるか。いるとしたら賭けたい選手にどれくらい影響があるか」までシミュレーションしたいところです。
忘れちゃいけないチーム成績と日程
その時の順位や日程もかなりの影響を与えます。ML、AH、OUの全てに関係します。実際にサンプル画像から、どのような影響が考えられるか見ていきましょう。
負けこんでいるチームはモチベーションが低い
※出典:スポーティングニュース
画像はスポーティングニュースのものです。赤い枠で囲んだ箇所は、プレーオフ進出やホームコートアドバンテージ獲得のためモチベーションが向上しやすい順位です。
プレーオフに出られなければ優勝はできませんし、選手としての価値を最大限に示すことができません。また、順位が高くなればホームコートアドバンテージが得られるため、いつも以上に熱を入れて戦います。
激しく戦うチームは、主力の出場時間が多くなり、ディフェンスも激しくなる傾向があります。
逆に戦績が悪くプレーオフ参加が絶望的なチームはモチベーションが低下し、選手も無理をしなくなります。来シーズンを見据えた采配では主力の出場時間が減り、若手の起用が多くなります。
モチベーションが真逆のチームが戦えば、それまでの対戦成績以上に点差がついたり、不利な状況を覆したり、得点が伸びない可能性が高まります。レギュラーシーズン終盤はチームの順位も確認するようにしましょう。
長期遠征中や連戦で成績ダウン
※出典:スポーティングニュース
NBAにはバックトゥバックと言われる連戦が存在し、休養がほとんどないまま突入する二戦目は基本的に成績が低下します。サンプル画像だと、1月8日の試合がそれに当たります。
ここ数年で連戦時に主力を休ませるチームも現れたため、連戦がある場合は主力が休む可能性をチェックする必要があります。
連戦の二戦目であった場合ML、AH、OU全てに影響します。主力が休む場合は、影響が更に強くなります。勝率は下がり、得点力も低下しやすいです。
また、若手が多かったりベンチ層が厚いチームは影響が少なめで、ベテランが多かったりスターターの出場時間が多いチームは影響が強くなります。
お気に入りのチームを軸にベットする場合は、そのチームが連戦時どのような対応をとっているか(エースを休ませるかどうか)確認できればスマートなベットができますね。
まとめ
様々なサイトでチェックできるスタッツ(統計)を紹介し、どのようなマーケットに影響するか説明してきました。
ブックメーカーのオッズや点差などを設定する人間はプロなので、統計的に正しい数値を出すことがほとんどです。
しかし、優秀なベッターの存在が証明する通り、付け入るスキや甘いオッズは必ず見つかります。穴を見つけるためにはスタッツの確認は欠かせないのです。
カテゴリ:ブックメーカー攻略