北海道コンサドーレ札幌新加入「興梠慎三」の最大の魅力とは?

  • 2022/02/28
  • 2022/02/28
コンサドーレ札幌 興梠

今季、Jリーグにおいて大型移籍として話題になった移籍のひとつとして数えられるのが、浦和レッズから北海道コンサドーレ札幌に移籍した「興梠慎三(こうろき しんぞう)」であろう。

2020シーズンまで9年連続2ケタ得点、現在通算150ゴール以上を記録する日本を代表するFWである興梠は現在35歳。

北海道コンサドーレ札幌に加入し、2022シーズン開幕からスタメンとして名を連ねた。

興梠慎三という大きな1ピースを得て、北海道コンサドーレ札幌はどんな化学反応を起こすのであろうか。

熟知しているミシャと興梠の関係性

浦和レッズに9年間在籍し、浦和で引退したいとまで公言している興梠が北海道コンサドーレ札幌にレンタル移籍ながら移籍をするという大きな決断をした理由は、「ミシャ」の愛称で知られるペトロヴィッチ監督にある。

高校を卒業し鹿島アントラーズでプロサッカー選手キャリアをスタートさせた興梠は、鹿島のエースとして活躍していたが、当時の監督により出場機会を減らしつつあった時、鹿島から浦和という禁断の移籍を実行する。

その時の理由もペトロヴィッチ監督のサッカーをやってみたかったからという理由だった。

相手によってサッカーを変えることはしない、一貫性のあるミシャサッカーに深い興味を持っていた興梠はライバルチームである浦和に移籍。

ミシャ政権時代の浦和では1トップを任されることが多く、たくさんのゴールだけでなく共に戦う選手たちの多くの決定機を作り出した。

浦和レッズは興梠慎三という看板エースを持って、多彩な攻撃を大きな武器として持ち続けた。

しかし、2017年7月。ペトロヴィッチ監督は浦和レッズの監督を解任。

興梠はその後も浦和で活躍し続けゴールを量産したが、ミシャサッカー以上の手ごたえは感じていなかったのかもしれない。

興梠慎三の中でのミシャの存在は大きく、いつかまたどこかで一緒に、という気持ちを常に持ち続けていたという。

2018シーズンから北海道コンサドーレ札幌の監督に就任したペトロヴィッチ監督は、常に興梠を意識しオファーを出し続けていた。

Jリーグにおいて最高レベルのFWである興梠慎三とペトロヴィッチ監督の関係性は「相思相愛」。

興梠がミシャサッカーを知り尽くしていることはもちろん、ペトロヴィッチ監督も興梠をどう起用すべきか・どう動かすべきかを熟知しており、興梠慎三という選手を最大限活かす事ができる。

ミシャサッカーにおいて、1トップを置くということは興梠慎三のような選手を というのが理想的なはずだ。

しかし、札幌でのその役割はこれまでタイプの異なるジェイが務めてきた(2021シーズンで退団)。

ジェイの能力を持ってして札幌でのミシャサッカーもまた異なる形で君臨したものの、興梠慎三というミシャサッカー最強の申し子を得たことで北海道コンサドーレ札幌のミシャサッカーをより強力にさせることであろう。

興梠慎三のパフォーマンスはゴールだけではない最強の魅力

興梠慎三といえば、現役選手としては現在1位のゴール数を誇り歴代としても現在3位と量産しているゴールにその魅力がある。

しかし、ゴールゲッターとしての魅力だけでは興梠の説明はおさまらない。

なぜゴールを多く生むことができるのか。ゲームを作るようなパサーの存在ももちろん必要ではあるが、興梠はそのパサーが自由に動けるためのスペースを作り出すことができる。

相手ディフェンダーとの駆け引きが非常に得意で、その駆け引きに対応できる選手はJリーグでは数多くない。常にオフサイドラインと相手ディフェンダー、そして主審の位置との駆け引きを続ける。

視界の死角や足の位置、体重のかけ方ひとつ細かなことで生まれるほんの0.数秒の勝負どころを見逃さない。それによって多くの相手ディフェンダーを惹き付け自身が背負うことでスペースを味方に与えたり、 スペースが難しい場合や味方の攻撃にかける粒がまだ揃っていない時には前線でファールをもらう。前線でファールをもらうことでプレーが止まることにより味方選手たちは余裕を持って体制を整えるだけでなく、身体を休めることにも繋がる。

ここでもらってくれたら、というところでファールを貰いチームをラクにさせてくれるという能力を持っている非常に頭の良い選手なのだ。

札幌での興梠の活躍に期待

そういった特徴を把握し、起用することのできるペトロヴィッチ監督だが、まずは共に戦う味方がその特徴を把握する必要がある。

どこでボールを預けることでどう動いてくれるのか、信用を持って託すことができるようになれば興梠慎三の特徴はどんどん発揮されていくことであろう。

こんなことまでできるのかと驚きと共にその幅広さを戦いながら味方選手は知っていくことであろう。そういう意味では浦和で共にプレーしていた駒井や鹿島でプレーしていた西がチーム内にいることは大きい。

そして興梠のゴールへの相棒となりそうなのが名古屋グランパスで昨季までプレーし札幌に移籍したガブリエル・シャビエルだ。

事実開幕から興梠を最前線に、ガブリエル・シャビエル小柏ルーカス・フェルネンデスが絡む攻撃の質はかなり高いものがあり、試合を重ねてより強力になることを考えるとよりミシャサッカーの発展に繋がることは必至だ。

ホーム開幕ゲームで北海道コンサドーレ札幌の選手としてはじめてのゴールを記録した興梠慎三。

35歳ベテランの選手だが、まだまだ天井は迎えていない。そう感じさせてくれるほどの札幌での活躍に期待したい。

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カテゴリ:サッカーコラム

この記事を書いた人

サッカー専門ライター

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